研修

2013年12月16日 (月)

【研修】IBMさんのプロジェクトマネジメント研修

こんにちは。

アフタースクール5号です。


本日はIBMさんにお力添えいただき、

PM(プロジェクトマネジメント)研修」を実施いたしました。

こちらはIBMさんがServices Grantsという、

アメリカをはじめ各国で実施しているプロボノ活動の1つで、

日本で初めて今回ご支援いただくことになりました。


私たちNPOにとってプロジェクトマネジメントは、

とてもとても大切なスキルの1つ。


講師はIBMの大津さん。

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まずは プロジェクトマネジメントって何?

という話からから始まります。


プロジェクトの定義は主に下記2点。

・有期性(プロジェクトに始まりと終わりがある)

・独自性


実際に各プロジェクトについてチームごとに、

各プロジェクトの有期性と独自性について議論し、共有をしました。


我がインターンメンバーも頑張っています。

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次にプロジェクトマネジメントのプロセスを確認します。

プロセスは、

立ち上げ→計画→実行→監視・コントロール→終結の流れで進みます。


各プロジェクトの企画書の内容、

プロジェクトスポンサーの確認など、

プロジェクトを始めるにあたり必要な事項を確認します。

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そして、「マイルストーンチャート」を作成します。

各プロジェクトごとに議論。

そして悩みます。

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ここでひとまずランチミーティング。

IBMの皆さんと放課後NPOメンバーで楽しくサンドイッチ。

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休憩後はマイルストーンをタスクに落とし込みます。

実際にいつ、何をしないといけないのか、

一つ一つをよく考え、確認をしていきます。

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そして、プロジェクトに誰がどのくらい関わるかの人的資源管理。


関わる人が分かったら、

そうした人たちやステークホルダーさんと

どんなコミュニケーションをとっていったらよいかを整理します。


メールで?電話で?立ち話で?

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その後、リスクの考え方を学び、実行へと進みます。


実行したあとはしっかりと終結させることが大切。

実行したことで得た学び・教訓・ノウハウをしっかりととっておくことが大切。


そして「メンバーの成功を認めることも大切」と。


IBMの塚本さん、森さん、小林さん、吉井さん、藤井さんも、

各チームのサポートを大変丁寧にしてくださいました。

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私たちの活動においては、

ひたすら突っ走ることに全力をかけているメンバーが多いのですが、

今回の研修を経て、

「今日明日はいいんだけど、結局最終的なゴールはなんだろうか」

「そのために今、今週、今月は何をしていく必要があるのだろうか」

そんなことを考えることができるメンバーが育っていくのではと思います。

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IBMの皆さま、素晴らしい研修を本当にありがとうございました!

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2013年6月12日 (水)

【研修】平成25年度 山形県「地域の放課後づくりモデル事業」4団体受け入れ

山形県の<地域の放課後づくりモデル事業>
昨年度に引き続き、今年度も
山形県での事業が継続されることとなり、
改めて選ばれた4団体の方が1週間の研修に来てくださいました。

こちらの研修に関しまして、ご質問等ございましたら、
下記までお問い合わせくださいませ。

お問い合わせ:info@npoafterschool.org

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研修期間:6月4日()6月8日()
研修参加団体:※(  )内は実施地域

・NPOハーバランス(村山) http://www.herbalance.org/
・特定非営利活動法人 きらりよしじまネットワーク(置賜) http://www.e-yoshijima.org/
・特定非営利活動法人 はぐくみ保育園 (最上)
http://www.ymgt-shakyo.or.jp/jinzai//ebook3/info.php?id=196&of=5&oid=0&sort=oasc&p=1
・NPO法人 いぶき (庄内)
http://www.city.sakata.lg.jp/ou/shimin/machi/koeki/170955.html

◇研修内容

①座学
・放課後NPOとは
・企業向け注意事項
・昨年の事例(NPOハーバランス)
・広報・募集方法
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②企画
・山形プログラム準備①、② 
 寸劇を使って方言を伝えるプログラム企画・運営


③実践・見学
<企業訪問>(※NPOと企業の打ち合わせに同行)
・ブリジストン美術館
 初訪問で連携内容検討

・コモンズ投信株式会社
 プログラム内容考案

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<プログラム見学>
・横浜市内の小学校
 子ども企画室

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・新渡戸文化学園
 剣道、理科実験、ピアノ、書道、英語、そろばん 

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<市民先生体験>
・山形プログラム
自由学園アフタースクールにて

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◆研修参加者の感想
・アフタースクールとは何か、事例を見学したことで、必要性を実感できた
・子どもたちがキラキラしていて、スタッフ自身も子どもと関わる事で輝いていた

・企業へのアプローチの場を実際にみる事ができ、何をすべきかを体験できた
・山形に帰り、子どもたちに伝える事、伝える為に必要な事を学ぶ事ができて良かった
・研修前から思っていた、4団体でのアフタースクールの意識の共有をする事ができてよかった


◆今回の研修の成果
・実践の場をフルに活用した研修内容で、実際の活動へのイメージをつけてもらうことができた
・やまがたでのアフタースクールにおいて、団体間の意識をまとめて、共通の資料としてまとめることができた
・昨年度の事業経験者がいたため、昨年の事例や、プログラム運営経験をいかして、東京の事例と山形の事例を共有しながらすすめることができた


課題
・研修中に場所の移動が多くあったため、少々ハードなスケジュールとなり、参加者の疲労が見える場面があった
・団体により、進捗状況が異なるため、より細やかに団体ごとの対応をしていく必要がある

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2013年4月21日 (日)

【講演】弘前アフタースクールを求めて@青森県弘前市

アフタースクール5号です。

今回青森県弘前市に行ってまいりました。

お招きいただいたのは、
あんよ・せらぴー共育研究会の阿部さん、境さん。

子どもたちや親子を対象に、
足マッサージを広めている団体の皆様です。

被災地での活動もしていらっしゃいます。

今回「子どもたちの放課後を救え!」を読んでくださっていた阿部さんが、
私たちの活動を弘前でもできないかと考えてくださり、
このような貴重な機会をいただきました。

参加してくださったのは、弘前市の教育委員会の方や、
保育士さん、学童指導員の方など。

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・放課後NPOの立ち上げ
・現在の活動
・各地への拡がり

などについて小一時間お話する時間をいただき、
最後に参加してくださった皆様との懇親会へ場所を移しました。


境さんが、以前子どもたちの相談員として活動をしていたとき、

「少し荒れ気味の子が、ゆっくりと話を聴いてくれたことに対して、
お礼の言葉を言ってくれたことを今でも鮮明に覚えている。」

ととても印象的な話をしてくださいました。

「しっかりと向き合ってくれる大人がいることで子どもたちは変わる」
そう述べる姿に、私自身もアフタースクールの活動に

もっともっと尽力していかなくてはならないと改めて思った次第でございます。

今後もこうした講演会やセミナーなど、積極的に行ってまいります!

ぜひお声かけくださいませ。


弘前市の皆様、とてもとても温かい方ばかりでした。

本当にありがとうございました!

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2013年4月18日 (木)

【韓国レポート1】超学歴社会

アフタースクール2号です。

先日行ってまいりました韓国レポート第1弾です。

概要は以下であります。


日程
2013/3/28(木)~3/30(土) 2泊3日
訪問場所
◇YBM社(韓国版ベネッセ。出版、語学学校、語学試験、オンライン教育などを手がける、韓国国内最大の英語教育企業。過去50年間韓国教育をリード。後に出てくる韓国外国人学校、SUYU英語村等運営。)
◇インターナショナルスクール(韓国外国人学校KIS)
◇SUYU英語村
この、SUYU英語村というのが
「さまざまな体験ができる施設で英語のみ使用可能」
という、韓国で複数箇所展開され、注目されている場所なのです。


今回は英語を通して、韓国の教育事情を調べて参りました。
もちろん、放課後の話も聞いてまいりました。


まずは、韓国の教育の基礎情報をまとめてみますと、
<学校教育について>

・大学受験が将来を決める(超学歴社会)
 *国語・算数・英語が特に重要
 *進学率のよい高校が人気、その高校のまわりの地価が上昇
・いい大学がいい就職に直結、ただし大学卒就職率が50%と厳しい
・義務教育は18歳まで、小中高での部活は存在しない
・小中高校受験はない、成績で進学先決まる
 *私立はごくわずか存在、ただし試験ではなく抽選
<私教育について> *私教育とは、学校教育以外の教育

・超学歴社会を受け、近年過剰な塾・習い事通い、親がそこにかける費用も高騰
・その代表が「英語」や「英会話」
・私教育への出費が平均8000円~10000円/月
 *都市部はさらに高額
 *英語で高額なところだと15000円/月のところも
 *みえっぱりな親が多いという国民性も関係
・土日は塾・習い事は休み
ということになります。


注目すべきは、

・小中高の受験はない
・しかし学校教育以外の教育に大変熱心な親が多い
・その背景は、「大卒の就職率50%」であること
・韓国経済の輸出および輸入への依存度が非常に高い
(グローバル化は避けられない=英語の必要性)

であるということです。

いろいろな方に話を聞くと、
「私教育にたくさんお金を使うことは必ずしも良くないが、国の事情から仕方がない」
という感情があるようです。

いずれにしろ、韓国は以上のような事情から日本以上の“超高学歴社会”
となっています。

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2013年3月 8日 (金)

【オランダ視察】まとめ

代表理事の平岩です。

4回にわたって、
オランダの視察のレポートを書かせていただきました。

内容は
保育園~小学校~中学高校(スタディハウス)~教育センター
についてです。

今回はまとめとして、それを俯瞰してみたいと思っています。

オランダの教育を考える上で最も重要なのは、
以下の4つの考えだと私は感じました。

①学ぶ個々の自由が保障されていること

②個をいかす教育をすること

③社会で役立つ人間を育てること

④保護者・学校・社会が一体となって子育てをすること

1つずつ解説させていただきます。

①学ぶ個々の自由が保障されていること

この大前提となるのは、
「オランダ教育の3つの自由」です。

・学校選択の自由(学区はない、家庭が自由に学校を選択)

・学校設立の自由(200人集めれば誰でも学校を設立出来る)

・教育方法の自由
(教材や教育方法は学校が決める)

この3つの自由が背景となり、
オランダでは様々な
「オルタナティブ(先進的な)教育が花開いた」
と言われています。

第1回の報告でご紹介した
「イエナプラン」もその1つです。

イエナプランは、
ドイツのイエナ大学の
ペーター・ペーターセン教授が
大学の実験教育として始めたものだそうです。
これがオランダに伝わり花開きました。

見学させていただくと、5つの特徴がありました。


①自学自習が中心(教室が静か)
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②循環型学習(対話→学習→遊び→催し)

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③異年齢学習
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④サークル対話
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⑤ワールドオリエンテーション

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このような特徴ある教育も
とにかく200人集まると開校できるわけです。

そして開校出来ることになると、
行政が校舎・施設を用意してくれます。
公立・私立問わず、
生徒数に応じた補助金を受け取れるようになります。

そうしてきちんとした教育成果をあげ、
生徒・保護者の支持がある限り、生き続けていられるわけです。

保護者は、小学校を選ぶ時は、
よくよく考えるそうです。
通常、通える範囲の小学校が、
3~4つくらいがあるのが当たり前だそうで、
行政から送られてくるガイドブックや
オープンデーでの見学を経て、
決定していくそうです。

オルタナティブ教育の小学校は
全体からすると
10~15%の構成です。
85~90%はクラシックスタイルと言われる、
割と日本に近いイメージの教育を行う小学校なのですが、
このような少数派がしっかりと生きることで、
全体にもよい影響を与えるのだと思います。

例えば、イエナプランで積極的に取り組む
「ワールドオリエンテーション」は
小学校の基本的な科目になっていたりします。

この「学ぶ自由の保障」はオランダの教育を考える上で
最も重要な前提条件だと感じました。


②個をいかす教育をすること

オランダは、「多様性を認め合う社会」と言われます。

「皆それぞれが違うからこそいいのだ」という考えです。

日本でも昨今そのような話が語られるようになっています。
また逆に異質なものを受け入れられないことにより、
いじめなどの深刻な問題も起きていると言われます。

第2回の報告で「教育センター」について書きました。

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教育センターは、学校や教員をサポートするために
1970年頃が設置が進んだと言われます。

そしてその頃は
オランダが教育改革を進めている時代でもあります。

その改革のテーマは
「画一から個別へ」
というものです。

全員画一の教育システムから
「一人ひとりを大切にする教育システム」
への変容をはかっていく中で、
このようなサポートのシステムが生まれました。

改革が進む中では、
教員の高度な対応スキルが求められたり、
また
「一人ひとりの面倒を見ると、全体の学力が落ちる」
という批判を受けたりしながら、
進化していったと聞きました。

オランダは元々多様性を受け入れる風土だと思いますが、
それでもなお40~50年近くの歴史をかけて、
このテーマを追いかけてきたようです。

イエナプランのポートフォリオがそれを象徴していました。

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これはもちろん他人と比べる成績表ではなく、
・自分だけの
・いいところ中心の
・成長記録

と言えるものだと思います。

現地で
「”子どもが自分自身でいられること”が安心の基本である」
というお言葉を聞きました。

毎朝、学校に来る子どもたちを
一人ひとり握手で迎える先生もいるそうです。

イエナプランの校長先生は
「子ども一人ひとりが最大限の発達が出来ているか?」
に常に注目している、と仰っていました。

一定のゴールはなく、
「各自が最大のチャレンジが出来ているか?」
を考えるのだ、とのコメントも印象的でした。

これは私たち「アフタースクール」のテーマそのものでもあります。

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③社会で役立つ人間を育てること

今まで①②はいわば教育の前提条件でした。
そしてその上に成り立つ教育目標がこの③のことなのだと思います。

「具体的な教育目標は何ですか?」
と私は各学校で質問をしました。

保育園
「子どもの自立心を育てること」

小学校
1.自分が何者か、何に強くて何が弱いかを分かっていること
 2.問題が起きた時にイニシアチブをとってみんなで関わって解決すること

中学高等学校
「子どもが自立的に学ぶこと」

という答えが返ってきました。

「学ぶことを学ぶ」
というキーワードもありました。

「子どもたちが将来つく仕事は現在ない職業も多いだろう。
 だから私たちは子どもたちが”学ぶことを学ぶ”環境を用意するのだ」
との言葉もありました。

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18歳になると、家を出て、
1人前の大人として旅立つ彼らが
その時にしっかりと前を向いて歩いて行けるように育てていく。

初等教育で教科に偏らず全人格的な教育を施し、
人間としての土台を作った上で、
より実社会と密接に関連した学びを提供する。

このあたりが非常にシステマチックに
結びついているように感じました。

④保護者・学校・社会が一体となって子育てをすること

4点目にこの特徴をあげます。

そして、これこそが、
今回私がテーマとしていた
「オランダの子どもたちの高い自己肯定感の秘訣」
の答えの1つでもあると思っています。

イエナプランの小学校では
「学校は、子どもと教員と保護者の共同体」
という言葉があります。

三者面談の招待状の事例もご紹介しました。

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三者面談の招待状に、
「三者面談で何を話し合いたいか?」
子ども、親、先生、それぞれが記入し、
話し合いを行う仕組みです。

このようにいつも子どもの成長を自分も周りも確認します。

子どもも自然に自分のことを
多くの大人が考えていてくれることが分かると思います。

「自分の成長を一緒に喜んでくれる大人がそばにいることを
 確信できる時に子どもの自己肯定感は育まれる」

とはリヒテルズ直子さんのお言葉。

そのとおりだな、と思います。

・自分で自分の成長を感じること
・自分の成長を喜んでくれる人がいること

これを常に感じていることで、
子どもの「自己肯定感」は育まれているように思います。

子どもだけでも学校だけでも親だけでも、
「自己肯定感」は育まれない。

ですが、その三者が力を合わせると、
1+1+1は3以上の大きなものになります。

この点は、私にとって今回特に大きな学びでした。

【まとめ】

最後に今回の視察で
私たちの「アフタースクール」にいかせる点をまとめておきます。
以下の5点だと思います。

①一人ひとりの個性を伸ばす
②よいところ、成長している点に注目する
③成長を自分で確認出来る仕組みを取り入れる
④成長する・学ぶ楽しさを伝える
⑤子どもたちの成長を親と共有する

①一人ひとりの個性を伸ばす
⇒これはアフタースクールの目的そのものであります。
 成績、偏差値だけでない
 子どもたち一人ひとりのよいところを発見し伸ばしていくこと
 が私たちの目標です。

②よいところ、成長している点に注目する
⇒他人と比べるわけでもなく、
 あるいは苦手なこと出来ないことばかりを注意するわけでもなく、
 「いいところ探し」をするのが放課後の時間であててょしいと思います。

③成長を自分で確認出来る仕組みを取り入れる
⇒子どもの成長はともすると、
 大人やテストが評価すると思われがちですが、
 それだけではないと感じました。
 「自分で自分を評価する」
 「そういえば、前に出来なかったことが出来るようになっているな」

 という実感を大切にしたいと思います。
 イエナプランのポートフォリオの仕組みはぜひ導入したいな、と思います。

④成長する・学ぶ楽しさを伝える
⇒私たちの対象とする小学生で育てるべき能力は
 やはりこれに尽きると思いました。
 「成長するのって面白い」
 「頑張って出来るようになったらもっと面白い」

 これを子どもたちに大いに伝えていきたいと思います。
 「アフタースクールで育った子は自分から頑張る楽しさを知っている」
 と言われるようになりたいな、と思います。

⑤子どもたちの成長を親と共有する
⇒この点が非常に重要です。
 子どもたちが認めてもらいたい一番の相手は「親」です。
 だから私たちは子どもたちの成長を様々な形で親たちに伝える義務があります。
 日々の会話、保護者会、開放された見学の機会、発表会、
 また「親が楽しんで参加する機会」を作るのも大切だと思います。

 アフタースクールでアンケートをとったら、
 「アフタースクールに行くようになって親子の会話が増えた」
 という意見を結構多くいただきました。
 こういうことをもっと増やしていきたいと思います。

ユニセフの子どもの幸福度調査はじめ、
各種調査で明らかになる
日本の子どもたちの「自己肯定感」はまだまだです。

でも、オランダの教育も一朝一夕に出来たものではなく、
長年の努力と工夫の結果であります。

私たちは「アフタースクール」で
「小学生の放課後」をフィールドに子どもたち保護者を支えていきたいと思います。

「幸せな日本の子どもたちを目指して!!」

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報告者:平岩 国泰
視察日:2013年2月4日~9日
都市:ハーグ市
訪問施設:保育園、小学校2校、中学高等学校、教育センター
コーディネーター:リヒテルズ直子さん

【オランダの視察報告】
(第1弾)イエナプラン教育の小学校
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-7bdc.html
(第2弾)教育センター
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-48ea.html
(第3弾)保育園
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-4f5b.html
(第4弾)スタディハウス(中学高等学校)
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-3976.html
(まとめ)
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-d9d2.html

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2013年3月 6日 (水)

【オランダ視察④】スタディハウス(中学高等学校)について

代表理事の平岩です。

オランダ視察のご報告も第4弾となりました。

今回取り上げさせていただくのは
「スタディハウス(中学校・高校)」についてです。

スタディハウスとは、
中等教育の教育システムのことです。

1999年にオランダで導入された教育システムで、

「学ぶことを学ぶ」

という目標を達成するために作られたシステムであります。

このスタディハウスに積極的に取り組む
中学高校一貫校を見学させていただきました。

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「ホフスタット・リセウム」という学校で、
生徒数は900人の中高一貫校です。

スタディハウスやICT教育など、
先進的な教育をいち早く取り入れる学校として
知られています。

校内の様子をご紹介します。

こちらは図書館です。

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非常に美しい空間でした。

図書館はメディアセンターのようなイメージで、
本もあればPCもあり、
様々な情報に触れられる場であったと思います。

ある教室ではこんな感じ。
電子黒板を囲んで、みなで議論しています。

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PCで調べている生徒もいました。

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ここでは、
シェルという企業と協力して生徒たちが作った自動車のパネルがありました。
毎年車を作っているそうで、
もちろん実物の車は本当に走ります。
このような企業との連携授業も多いそうです。

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この学校はICT教育も進んでいます。
1人1台のPCと使って授業をするクラス、
iPadをフル活用するクラスもあります。

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iPadを使うクラスでは、
教科書は使わないそうです。
「5年以内に全ての教科書はiPadになるだろう」
と先生は仰っていました。

理科室のようなところには、
このような掲示がありました。

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アルコールやコカインなどがいかに体に有毒かを
示してあります。

このように理科は
実生活と結び付けて考えたり調べたりするもの
多いようです。

ある授業でこのような看板が出ていました。

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「ミニ・カンパニーズ」と書いてあります。

こちらは子どもたちの言わば起業の授業です。

この学校は、
「国際化教育推進校」として、
ドイツ、スペイン、イギリス、イタリア、シンガポール、などの学校と
交換授業やプロジェクトを進めているそうです。

ここで子どもたちは各国の連携校の
生徒と多国籍企業を立ち上げるそうです。
各国の子どもたちと1つの会社を運営します。
日ごろのやり取りはスカイプでします。

自分の父母に初めの株式を売り、
実際の経営をやってみるそうです。

「日本の学校もぜひ参加してほしいけど、手が上がらない」
と先生は残念がっていらっしゃいました。

ここで改めてスタディハウスの趣旨を定義すると
以下のものになると思います。
(リヒテルズ直子さんの著書を参照)

①高等教育で必要とされる技能を身につけること
 ・情報を調べる
 ・調べた情報を取捨選択する
 ・自分の頭でまとめる
 ・発表する
 ・議論する

②子どもが自立的に学ぶこと

③教科の科目を超えた総合的な学習を行うこと


そしてこの改革が行われた背景には、
以下のような課題があったとされています。

・中等教育を出た子たちが知識はあるが、その知識の使い方を知らない
・自立的に情報を集め、自分の頭で処理する能力に欠ける
・急速なICTの発達に即した教育を整備する必要がある

そのような背景で生まれて来た
スタディハウスは
週に40時間×40週間のカリキュラムを原則とし、
日々日進月歩で改革が進んでいるようです。


スタディハウスに関する、
オランダの公式文書には以下のように書いてあるそうです。

「生徒たちは社会の将来を選ぶ人になるだけでなく、
 社会の将来を決める決める人になるのだから、
 学校はこの生徒たちが『学ぶことを学ぶ』場であるべきだ」


この
『学ぶことを学ぶ』
というコンセプトが随所に実現されているわけです。

このコンセプトは今回拝見した
先進的な施設では、
保育園~小学校~中学校~高校
と一貫したものでした。

中高生になって、より社会と結び付く実践的な教育を求めて、
スタディハウスが取り入れられているように感じました。


おまけに少し。

こちらは職員室です。

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日本と違って、明るくてすぐにお茶が出て来る感じの
リラックスしたスペースでした。

先生の勤務時間をお聞きすると、

・55歳~ 週4日:全部で12コマくらい
・~55歳 週5日:全部で15コマくらい

勤務時間は
8:30~14:30、家でも1~2h働くこともある
と仰っていました。

日本よりは優しい環境ですね。



こちらは掲示板。

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生徒への各種お知らせはこちらで出るそうです。
デジタル化されていますね。


最後に先生に
「放課後は何をしていますか?」
と質問しました。

高校生はアルバイトが多いそうです。
宿題はほとんどありません。

しかし、オランダの高校生はかなり勉強しています。

それは「卒業資格」を得るためです。
この卒業資格があれば、
一生涯大学に通うことが出来る権利となります。

卒業資格を得るために、
「全国共通試験」「校内試験」をパスする必要があります。

この試験の判断の要素は以下のようなものです。

・筆記試験
・課題論文
・レポート
・ディベート
・プレゼンテーション
・卒業研究


そして基準は

・短時間で正確な答えを出すこと

ではなく、

・課題への取り組み方
・物事の判断の仕方
・情報処理の仕方


が判断の基準になっております。


「日本の中高生も頑張らないと!」
と強く実感しました。


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報告者:平岩 国泰

【オランダの視察報告】
(第1弾)イエナプラン教育の小学校
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-7bdc.html

(第2弾)教育センター
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-48ea.html

(第3弾)保育園
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-4f5b.html

(第4弾)スタディハウス(中学高等学校)
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-3976.html














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2013年3月 3日 (日)

【オランダ視察③】保育園について

代表理事の平岩です。

オランダ視察のご報告も第3弾となりました。
今回は「保育園」についてです。

伺ったのはこちらの保育園です。
外観は普通のビルと同様です。
(オランダのビルはきれいですね)

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中に入らせていただきました。

雰囲気はこんな感じです。

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園庭はこんな感じ。

それ程広くありませんが、
遊びこめる印象でした。
(雰囲気はオシャレですね)

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学んだ内容を下記に記載します。

①ハーグ市保育園の概観

人口40万人の市に400の保育園が存在します。
(日本で同規模の柏市に「40しか園がない」と申し上げると「Oh!」と驚かれました。。)

視察させていただいたDAKグループでは、
70園を運営しているそうです。
当初は公立で園を運営していましたが、
2005年くらいから民営化されて運営されているそうです。

料金は
1時間4~6ユーロ(500~700円)
1日10時間預けると、5~7千円
週3日預けると、月に6~8.4万円

結構高いですね。
ちなみに保育の費用は以前はほとんど国から支給されていたそうですが、
最近はユーロ全体の不況で保護者の自己負担も増えているそうです。

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②子どもたちは複数のグループが存在し、どこに所属するかを親が決める


こちらでは、

・0~4歳 ・0~2歳 ・2~4歳

の3つのグループが存在します。
どのグループに所属するかは、
子どもの発達段階に応じて親とスタッフで相談して決めるそうです。

スタッフの数は、下記のように決まっています。
・0~4歳→12人に2人 ・0~2歳→9人に2人 ・2~4歳→14人に2人

異年齢で保育を行うのは当然、といった感じでしょうか。

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③週5日来る子が少ない


ワークシェアリングのオランダでは、
週5日働いていない大人がたくさんいます。

なので、子どもたちも親がお休みの時は家にいるので、
保育園に来るのも週1~5日とそれぞれ違います。

週3日くらい来る子が最も多いそうです。
従って子どもたちのグループも毎日変わります。
「1人の子どもに対して3人までスタッフが変わってもいい」
と決まっているそうで、スタッフは細かくシフトを管理し、
子どもたちが接する大人があまりにも変わり過ぎないように
管理しているそうです。

「なるべく多くの大人と関わることで子どもの社会的な成長を促す」
というのが基本の考え方のようです。
少し日本とは違うでしょうか。


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④子どもの自立心を育てる

「子どもたちの成長で最も重視する点は何ですか?」と尋ねると
この答えが返ってきました。

「子どもの自立心を育てる」
もう何の迷いもなくそれを全員が答える感じです。

「具体的な取り組みはどのようなものがありますか?」とさらに尋ねました。

ご返答の第1声は
「それは私たちにとってあまりに自然なもので、
特に取り組みを意識しないくらい全ての行動に反映されている」

と仰っていました。

園の中を見てみると、このようなボードがありました。

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これはそれぞれの遊びのコーナーで
今誰が遊んでいるか、というボードです。
子どもたちが自分の名前を動かしていきます。

自分のしたい遊びを自分で決めて
名前を動かすわけです。
おやつとお昼寝以外の時間はかなり自由に過ごすそうです。

これによって、自分が何をしているか、
お友達同士で何をしているかを可視化しています。
自分がしたくても、友達が使っていると我慢をしなければならない訓練にもなります。
またお片づけなどをしない場合は、
これを見て職員さんが声かけをしたりもします。

このようなボードは保育園だけでなく、
その後見た小学校などでもかなり見かけました。


⑤コーナー遊びで好奇心を刺激

保育園の中には、
色々なコーナーがありました。

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このちょっとしたコーナーで子どもたちの好奇心を刺激しているそうです。


こういうコーナーもありました。

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このコーナーを反対から見るとこんな感じです。

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そうです。柱の中にちょっとした小部屋があるのです。
どのフロアにもありました。

ここは子どもがちょっと落ち着いたり安心感を感じるコーナー、
また秘密基地のように使う子もいるでしょうか。

面白いですね。


⑥評価を自分たちで

「子どもたちへの教育の成果をどのように判断していますか?」

と質問いたしました。

すると
「評価指標を決めて自分たちで評価している」
という答えが返ってきました。

・環境(建物、設備、コーナーの配置etc)
・職員(子どもの自立を促しているか)
・子どもたちの安定性(落ち着いているか)


この3つの大項目に基づく指針があり(アムステルダム大学教授と共同作成)、
それに基づいて評価・改善を行っているとのことでした。

ちなみに、
オランダの保育園の子どもたち、
大変に安定していました。
日本の子どもより何だか落ち着いていて、
先生も穏やかな感じで接していました。

日本の保育園はどうもバタバタしているように見えます。
これも「なぜだと思いますか?」と尋ねました。

すると、
「子どもたちにストラクチャーを与えている」
という答えが返ってきました。

何のことだろう?と思っていると、
「子どもたちが何をすべきか分かっている」
と説明してくれました。

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例えばこういうものがイメージですが、
1日がどんな流れで進んでいくかを可視化することなのです。

子どもたちが自発的に動く前提があって、
でも1日の流れも出来ていて、
これによって、先生が大きな声で指示を出さずとも、
子どもたちが落ち着くのだそうです。

リヒテルズ直子さん曰く
「このような教育をするため、
オランダは30~40年の歴史を積み重ねて追求してきているのよ」
ということでした。


⑦保護者との関係

保護者との関係についても尋ねました。

保護者との接点は主に3つとの答えが返ってきました。

・朝夕の投降園
・保護者会
・経営参加評議会
保護者会は、主に夕食後の時間に定期的に開催するそうです。
色々話し合いを持ったり、時にはパーティーなどもするそうです。

そして「経営参加評議会」
これは保育園に限らず、
オランダの学校に共通してこのような組織がありました。
保護者と教職員でこのような評議会を作って、
常に学校の教育や経営をチェックしているのです。

「こういう評議会があまり存在しない日本の方が珍しいのだ」
とリヒテルズさんは仰っていました。


オランダの学校では、
「学校と保護者はチームを組んで子どもを見守ってる感覚」
が常にありました。

この感覚はとても大事だな、と思います。

親、教師など多くの大人が協力して、
自分のことを育ててくれている感覚を子どもが実感していることこそが
子どもたちの自己肯定感の源泉
ではないか

と思えるほどです。
ちなみに保護者との連絡帳はほとんどWeb化されているそうです。
そういうのはすぐに見習った方がいいですね。


⑧その他発見

こちらはおむつ替えの台です。

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こちらは、職員さんの背の高さにあわせて、
大変位置が高いものでした。
また高さも変更できるそうです。便利ですね。


こちらは屋根裏のようなところのお部屋です。

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ここは学童保育の部屋です。
ここには小学生の学童の子どもたちがやってきます。

色々なコーナーがあり、面白そうな部屋でした。

ファッションショーをするステージもありました。

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そしてこちらはオランダらしいですね。ミッフィーです。

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色々な美しい風景やインテリアなどを見ていると、
ミッフィーの生まれて来る国であることもうなづけるように思いました。



「子どもの自立心を育てる」
と明確に言い切る保育園。

とても参考になる部分が多くありました。

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報告者:平岩 国泰

【オランダの視察報告】
(第1弾)イエナプラン教育の小学校
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-7bdc.html

(第2弾)教育センター
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-48ea.html

(第3弾)保育園
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-4f5b.html

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2013年2月19日 (火)

【オランダ視察②】教育センターについて

代表理事の平岩です。

オランダ視察のご報告の第2弾です。

「教育センター」が今回のテーマです。

視察の期間中、
「ハーグ市:教育センター」に行ってきました。

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この教育センターとは一言で言うと、

「学校、先生をサポートする機関」と言えます。

中に入らせていただく機会をいただきました。
様子をご紹介いたします。


中に入ると、色々な教育雑誌などが自由に読めるようになってます。

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そしてテーマに応じた、教材などの展示がされています。

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上から見るとこんな様子です。雰囲気も明るいです。
学校で使う家具なども並んでいます。

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2階にあがると、たくさんの教材が所狭しと並んでいます。

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日本と比べてカラフルで楽しそうな教材が多い印象です。

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こういうのもありました「紙芝居」
紙芝居を読んでもらったり、自分で作ったりするのは、
よい学習になるようで、フランスなどでも広がっているとのことです。

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なぜこれだけ教材が揃えているのでしょうか??


なぜならオランダには
「検定教科書」というものがないからです。

教科書は民間の教材会社が作ります。
もちろん国の検定はありません。
学校が自分たちに最もあったものを選ぶのです。

ですので、
この教育センターにたくさんの教材が展示会のように並び、
先生方がそれを選ぶことをサポートしているわけです。

日本の教科書は検定教科書で、
「唯一の答えの書いてある場所」
のように捉えられています。
1人1冊配られます。
なので、1冊1冊にあまりお金はかけていけません。
(近年それでも工夫された教科書に進化していますが)

しかし、オランダでは
「学ぶためのツール」
という位置づけのような気がします。

教材1つ1つはリッチで日本よりもお金がかかっている印象です。
民間の会社の制作ですので、
「より面白くより学びを深く」と工夫もされています。

教材は、コピーして使えるように工夫されていて、
学校はその教材を長く使います。だから1つ1つはお金がかかっています。

その教材がこのセンターに揃っていて、
専門の解説員さんも常駐します。

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教育センターは他にも、IT教育を研究する部屋があったり、
研修の部屋も多数ありました。

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先生方はここで開催される多くの研修にも
参加するそうです。
学校主催の研修(例えばチームビルディング)を
ここで開催することも多いそうです。

他にもこのセンターでは
常に「最先端の世界の教育」も研究し続けているそうです。
当日も展示されていました。
その事例を聞くことも出来るそうです。

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この「教育センター」は、
1970年頃からのオランダの教育改革を背景に設置が進んだそうです。

当時から今までオランダが追いかけているテーマは、

「画一から個別へ」

というものです。

オランダもこのテーマを
もう50年近く追いかけているわけです。

一律の画一教育から一人ひとりを大切にした個別教育への
シフトを進める中で、
国として学校を支える仕組みの1つが
この教育センターと言えると思います。

前回のブログでも記載した

「オランダ教育の3つの自由」
・学校選択の自由(学区はない、家庭が自由に学校を選択)
・学校設立の自由(200人集めれば誰でも学校を設立出来る)
・教育方法の自由(教材や教育方法は学校が決める)

この3つの自由を保障するために、
国がしっかり周りを固めているわけです。


このような徹底的な教員サポートの姿勢を
このセンターで拝見しました。


日本でも
「教育センター」のような名前の施設を拝見しますが、
どうもこのように使われている感じがいたしません。

オランダの教育センターの持っている機能の中で
特に秀逸だと感じたのは下記の3点です。

・教材の網羅(多くの教材、家具等が揃っている)

・最新教育の研究(常に新しい事例を吸収出来る)

・雰囲気の明るさ(施設が入りやすく、快適に学べる)



このような点を参考にした
学校や先生をサポートできる施設、
日本にもあるといいのにな、と感じました。

新しい施設を建てずとも、
今ある建物をいかして十分に出来るように感じました。

オランダの教育を支える教育センター、
勉強になる施設でした。

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報告者:平岩 国泰

【オランダの視察報告】
(第1弾)イエナプラン教育の小学校
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-7bdc.html

(第2弾)教育センター
http://npoafterschool.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-48ea.html

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2013年2月17日 (日)

【オランダ視察①】イエナプラン小学校について

代表理事の平岩です。

先日、オランダの教育を視察してまいりました。
少しずつ皆様にご報告をしていきたいと思います。
「なぜオランダなのか?」
と行く前に何人かの方に聞かれました。

「世界で最も子どもが幸福な国」
とオランダはしばしば言われます。

2007年にユニセフが行った
「子どもの幸福度調査」で、オランダは総合1位だったのです。

日本は同調査で下位、
子どもが「孤独を感じる」という項目で
断トツで1位になってしまいました。
(日本:29.8%、2位のアイスランドの約3倍)
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日本の子どもはその他の調査などを見ていても、
世界の中で
「子どもが幸福を感じている」とはとても言い難い状態です。
「子どもたちの自己肯定感」を求めている
私たちの活動において、
その秘訣をオランダの教育の中から探っておこうということだったのです。


まずは今回の視察の中心である、
「イエナプランの小学校」についてご紹介します。


先に少しだけオランダの概観を記載します。

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・人口:1660万人 (東京より少々多い)
・面積:4万1千km2  (九州くらい)
・首都:アムステルダム
・1人あたりGDP:50000ドル (世界第10位)…日本17位、日本の1.1倍
・堤防に囲まれた低地
・ワークシェアリング施策
・チューリップ、チーズ、風車
・ゴッホ、フェルメール、ディック・ブルーナなどを輩出


北欧は最近、
何かとお手本にされることが増えてまいりましたが、
オランダの教育も最近注目を集めるようになってきました。

なぜならオランダでは近年
「オルタナティブ教育(先進的な教育)」が花開いていると言われるからです。

モンテッソーリ、フレネ、シュタイナー、ダルトン、
そしてイエナプランです。
その背景には、オランダの教育環境があります。

・学校選択の自由(学区はない、家庭が自由に学校を選択)

・学校設立の自由(200人集めれば誰でも学校を設立出来る)

・教育方法の自由
(教材や教育方法は学校が決める)

このような自由な教育環境で、
様々な先進的な教育が花開いているわけです。

もちろんオランダの中で、
このようなオルタナティブ教育は全体としてはまだ少数派で、
全体の80~90%はクラシックな教育スタイルで、
オルタナティブ教育を全部合わせて10~20%です。

しかし、この少数派がきちんと尊重され、存在出来るのがオランダの良さで、
それが全体にもよい影響を与えているのです。

イエナプランの小学校自体は少なくても、
その考えを一部取り入れている小学校は多いそうです。


さて、レポートに入ります。

今回私の訪問させていただいた小学校は
「Dr.schaepmanschool(ドクター・スハエプマンスクール)」

デン・ハーグ市にある200~300名規模の小学校です。

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ここはイエナプラン教育を全面的に推進する小学校です。

イエナプランの、
外から見て分かる大きな特徴を挙げると、
以下の5つになると思います。

①自学自習が中心(教室が静か)
②循環的学習(対話→学習→遊び→催し)
③異年齢学習
④サークル対話
⑤ワールドオリエンテーション
それぞれ、少し解説します。


①自学自習が中心(教室が静か)

こちらは小学校の教室の写真です。

Img_5584_r

机は5~8人くらいのグループで配置してあり、
いわゆる日本の教室型の机の配置はありません。

私も1時間目が始まるところに立ち会いましたが、
朝の対話が終わると、先生が大きな声で指示を出さずとも、
子どもたちが各自で1時間目の自習に取り組み始めました。
教室内は静かです。

「これがイエナプランか」という衝撃を感じました。

こちらが当日の低学年クラス(4~6歳)の
電子黒板に表示されていた時間割です。

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8:30 サークル対話(人の名前)
9:00 自習
    ・単語
    ・算数
10:00 自習
10:30 おやつ(フルーツ)+外遊び
11:00 自習
    ・スペリング
12:00 休憩+外遊び
12:50 発表+プロジェクト(今回のテーマは映画)
13:45 片付け
14:00 催し(転校した子のお別れ会)
14:45 帰宅

国語、算数などの科目はありません。
自習が多いです。

ちなみにこちらは各自の子どもが持っている時間割です。

Img_5564_r

子どもそれぞれが
「いつまでに何をやる」と書いたものです。
時間割というより進捗工程表に近いものです。

子どもたちはこれで自身の学習を管理し、
先生がその進捗を確認しています。

時にオランダで、学習=仕事と表現されることがありましたが、
まさに大人が仕事で進捗を管理するようなイメージでした。

この自分自身で自ら取り組むことを管理する考えは、
保育園でも見かけました。
かなり一般的な学校にも広がっているようです。


②循環型学習(対話→学習→遊び→催し)

先ほどの時間割にあるように、
イエナプランではいわゆる科目による時間割でなく、
循環型のカリキュラムで構成しています。

こちらは中学年(7~9歳)の時間割です。(写真が見にくくて申し訳ありません)

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8:30 サークル対話(人の名前)
9:00 自習
    ・算数
10:30 おやつ(フルーツ)
10:40 外遊び
11:00 自習
    ・読解
12:00 外遊び
12:30 ランチ
12:45 算数、アルファベット
13:00 読書
13:30 催し(何が始まるかな?)
14:30 片付け・帰宅

先ほどの低学年と似ています。

イエナプランでは、

「対話→学習→遊び→催し」

というサイクルを繰り返すそうです。

もちろん学習の中に、国語や算数などの要素は含まれます。
テキストもあります。

「対話→学習→遊び→催し」
これらすべてが学びだと考えられているわけです。
ちなみに催しでは、
積極的にみんなのお祝いをするそうです。

外遊びの様子はこんな感じ。

Img_5677_r

寒い中でも、外で元気に遊ぶ姿は万国共通。
見ていて嬉しくなる光景でした。


③異年齢学習

日本でも縦割り学習などの事例はありますが、
イエナプランの異年齢学習はもっと本格的です。

先ほど紹介した5~8人のグループですが、
このグループは異年齢で構成されています。

グループの机を見てみると、
高さが違います。

Img_5558_r

これが異年齢学習を象徴しています。

この小学校では4~12歳児までを3学年ごとに分けています。
3学年ずつ低学年~中学年~高学年のクラスを
編成しています。

高学年クラスには10~12歳がいるわけです。

日本のように「6年1組」などはなく、
3学年の異年齢が混ざり合ったクラスには
みんなで決めた名前がついています
「魚」「パンダ」「鳥」などのグループ名がついていました。

そして教室の中でも、異年齢で机を並べるわけです。
これでは当然ですが、一斉授業は出来ません。

各自が自習を中心に取り組み、
分からないところは教え合う風土が自然に出来ていきます。

「本当に出来るのか?」と思って見ていましたが、
これがいかにも自然に進行していました。

「やれば出来るもんだな」と感心しました。


④サークル対話

イエナプランの教室では、
必ずサークール椅子のコーナーがありました。

Img_5728_r

このように丸太のような椅子が多かったです。
丸太には子どもの名前がありました。
色々な子の名前が書かれた丸太が代々受け継がれている感じでした。

1日の中で何度となく、
ここに集まって話し合っている様子を見ました。

朝の対話、
授業中、
帰り、
「何かあれば対話する」という雰囲気でした。

もちろん異学年で話し合うわけです。

このように教室が
自然にさっと集まれる配置になっていることも大事だな、
と思いました。


⑤ワールドオリエンテーション

こちらは、教科横断の学習です。
日本で言うところの総合学習に近いと思います。

「子ども自身の発見や観察、探究を尊重し、生徒同士の相互作用を引き出す」
と聞きました。

テーマは学校全体で統一され、年間に7~8テーマあるようです。
私が訪れた際のテーマは「映画」でした。

学校内の各所には、
そんなわけで映画のポスターがたくさん貼ってありました。

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学習の中で、インターネットで映画を検索したり、
実際に映画を見ている子もいました。

遊んでいるのかな?と思ったら、
これも1つの学習でした。

全員共通のフォームで映画の感想を書いていました。
低学年クラスでは着ぐるみがあって、実際に劇をしていたり。

ワールドオリエンテーションは、
テーマを決めると同時に、
先生方の上手な導きがあるように感じました。
子どもに全て任せているわけではありません。

このあたりの「総合学習のノウハウ」は
オランダではとても発展している、という話を伺いました。

日本でも総合学習は
「ゆとり教育」の産物のように言われて
悪者扱いされることがありますが、
もっとみんなで研究して、
日本もレベルアップしていきたい科目だと感じました。


(まとめ)

「子どもたちの成長目標はどんなことですか?」

私はこの小学校の校長先生に尋ねました。

2つあげてくださいました。


1.自分が何者か、何に強くて何が弱いかを分かっていること

2.問題が起きた時にイニシアチブをとってみんなで関わって解決すること



少し解説します。


1.自分が何者か、何に強くて何が弱いかを分かっていること

こちらは、「ポートフォリオ」と呼ばれるものです。

Img_5642_r

子ども1人に1冊あります。
子どもたちがそれぞれ自分がよく出来たと思う、
教材や絵などを保存しています。

これにより子ども自身が自分の成長を確認しているのです。
もちろん親にも共有されます。

よく見ると、印がついて子どもがコメントを残しています。
(下の写真のピンクのマーカー)


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これはお聞きすると、
「どの能力が伸びたか?」ということについて
子どもが考えているそうです。

能力の分類は、
「マルチプルインテリジェンス」の考え方が
ベースになっているそうです。

(参考:マルチプルインテリジェンス)
1983年にハーバード大学のハワード・ガードナー教授が提唱。
人間の8つの能力を分類。

  1. 言語的知能
  2. 数学的・論理的知能
  3. 空間的・視覚的知能
  4. 身体的・運動的知能
  5. リズム・音楽的知能
  6. 対人関係の知能
  7. 内観の知能
  8. 自然・環境の知能

子どもたちはこの分類に印をつけているのです。


ポートフォリオを見せていただくと、
こちらは保護者との三者面談の招待状だそうです。

Img_5546_r

三者面談も主役は子どもです。

招待状の下半分の空欄のところに記載するのは、
「三者面談で何を話し合いたいか?」です。

これを
子ども、親、先生、それぞれが記入し、
話し合いを行います。
子どもも書くのが、イエナプランらしい点です。

このような仕組みでいつも子どもの成長を
自分も周りも確認し、
子どもが主体的に自分のことを把握し、
伸ばしていくことを目指しています。


2.問題が起きた時に自らイニシアチブをとってみんなで解決すること

こちらも全体を通して貫かれている考えだと感じました。

サークル対話で話しう合う姿勢、
何かと言えばみんなで集まって討議しながら解決をしていく。
教師はファシリテーターの立場です。


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イエナプランの小学校を卒業した子は
中学以降も、
「非常に積極的に学校に関わる」
「問題解決のイニシアチブをとる」

との評価が高いそうです。

短期間見ただけでも
十分に納得できる過ごし方をしていました。


校長先生は、もうひとつ私に印象的な言葉を語ってくれました。

「将来、子どもたちが出てゆく社会はどんな風だかわからない。
きっと今存在しない職業につく子も多くいるだろう。
だから私たちは子どもたちが『学ぶことを学べる』環境を用意している」


確かな理念に基づく目的と手段、
これを私はイエナプランの現場で体感いたしました。

「小学校で教科教育に偏らず、
全人格教育をしっかりと施し、
学ぶための土台を作った上で、
中等教育以降で
実際の社会で使うための学問を自ら獲得していく」


このようなオランダのシステム、
日本でも参考にしたいと思います。

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報告者:平岩 国泰

*学校とのお約束で、子どもの表情などが写っている写真は掲載しておりません。
報告会の場では、もう少し詳細な写真や映像をご参考までにご用意いたします。
どうぞよろしくお願いたします。

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2012年10月 4日 (木)

【研修】静岡県の放課後づくり支援

平岩です。

本日は東静岡に伺い、
NPO法人まちなびやさんのご支援に伺いました。
まちなびやさんは、静岡市で地域の力を活用した
放課後づくりを行う団体さんで、
私たちと同じ志を持って活動している大事なお仲間です。
(まちなびやさんHP)
まちなびやさんは
「コドモンデ」という地域の企業などを取り上げる
素敵な冊子を作っていらっしゃり、徐々に部数を拡げ、
現在では市内や他市の学校でも配布され、
合計2万部を出されるほどになりました。
発行を楽しみにしている小学生も多数いて、
教育委員会も認めていらっしゃいます。
この冊子は何しろ写真が素晴らしいのです。
下記、表紙の写真をぜひご覧くださいませ。
(コドモンデ)

今日は、現状と今後の進め方について、
まちなびやさんを応援する皆さんで集まって
議論いたしました。
__
とても頑張っていらっしゃるので、
ぜひ発展してほしいと思っております。
そして私たちともよきパートナーとして、
東京と静岡でどんどん情報交換出来ればと思っています。

このような地域での活動のご支援、
ぜひ私たちも続けていって日本中の放課後が豊かになればと思います。

皆様、ご一緒に頑張りましょう!

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